事業内容

再エネ電力メニュー:よくある質問

契約先・電力メニューの切り替えに関すること

【Q】切り替えに工事は必要ですか?

【A】基本的に工事は不要です。
電気のメーターが「スマートメーター」に切り替わっていない場合はメーターの取替工事が必要となりますが、これは関西電力送配電株式会社が実施します。工事費用の負担や立ち会いは必要ありません。
参考:関西電力送配電株式会社「スマートメーター導入」ページ

【Q】集合住宅でも切り替えできますか?

【A】できる場合とできない場合があります。
小売電気事業者(関西電力など)と直接契約を結んでいる場合は、集合住宅であっても切り替え可能です。分譲だけではなく、賃貸の場合も同様です。
ただし、マンションや大家さんが一括で契約している場合は、個別に切り替えることはできません。

【Q】停電のリスクは増えませんか?

【A】増えません。
電気は、これまでと同様に、関西電力送配電株式会社の送配電網によって届けられます。電力会社を切り替えることで、停電が増えたり、停電からの復旧にかかる時間が増えたりすることはありません。

【Q】契約を切り替えた先の事業者が倒産した場合は、電気は止まりますか?

【A】止まりません。
契約先の小売電気事業者が倒産した場合にも、関西電力送配電株式会社が引き続き電力を供給します。その後、電力会社を選びなおす必要がありますが、停電になることはありません。

【Q】電力会社を切り替える際に、解約金が発生しますか?

【A】発生する場合と、しない場合があります。
大手電力会社(京都府内の場合は関西電力)から初めて電力メニューの切り替えをする場合は、解約金は発生しません。
すでに契約の切り替えをしたことのある場合は、契約の内容によって、解約金が不要の場合と必要な場合があるので、契約内容をご確認ください。

再エネ電気に関すること

【Q】「FIT制度」とは?

【A】FIT(フィット)制度とは、「Feed-in Tariff」の略称で、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」のことです。再生可能エネルギー源(太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス)を用いて発電された電気を、国が定める価格で一定期間、電気事業者が買い取ることが義務付けられています。
固定化価格で一定期間の買取を保証することにより、再エネ発電を増やすことを目的としています。
買い取りに必要な費用は、再エネ賦課金によりまかなわれています。

【Q】再エネ賦課金とは?

【A】FIT制度によって買い取りに必要な費用をまかなうために、電気料金の一部として国民(消費者)が負担をしています。

【Q】「FIT電気」とは?

【A】FIT制度によって買取をされた電気のことです。つまり、再生可能エネルギー減(太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス)を用いて発電されて、電気事業者が買い取った電気のことです。

【Q】「非化石証書」とは?

【A】天然ガスや石炭、石油などの化石燃料を使わずに発電した電気の環境価値(=化石燃料で発電をしていないのでCO2を排出しない、つまり地球温暖化を引き起こさないという価値=非化石価値)を証書化する制度です。証書化することによって、取引ができるようになっています。3種類あります。

①FIT非化石証書(再エネ指定)
…FIT制度を通じて買い取られたFIT電気(=再生可能エネルギーで発電されたもの)の非化石価値を証書にしたもの
②非FIT非化石証書(再エネ指定)
…FIT制度を使っていない再生可能エネルギーの非化石価値を証書にしたもの
③非FIT非化石証書(指定なし)
…FIT電気でない非化石電源(原子力など)の非化石価値を証書にしたもの

実際に電力販売をする際に、非化石証書を組み合わせることで、「CO2ゼロエミッション」という環境価値を付加することができます。

再エネ指定のある非化石証書を利用することで、「再エネ電気」もしくは「実質再エネ電気」と表示することができます。

★証書として取引ができるようにしたのはなぜ?
FIT電気は、再エネ賦課金で買い取りがされています。再エネ賦課金を支払っているのは国民(消費者)です。FIT電気の「環境価値」は、買取をした電気事業者ではなく、再エネ賦課金を支払った国民(消費者)に還元されるべきと考えられています。そのため、環境価値を「FIT非化石証書」という形で取引ができるようにして、FIT非化石証書の販売によって得られた費用は再エネ賦課金と同じように使われます。つまり、再エネを固定価格で購入する費用として使われることにより、国民の再エネ賦課金が軽減されることに繋がります。

★実際に発電した量しか販売されない
発電事業者が、天然ガス等の化石燃料で電気を作った場合は、電力しか販売することができませんが、太陽光発電等の再エネで電気を作った場合は、電力と非化石証書を販売することができます。
非化石証書は、実際に発電ができた分しか販売されません(発電実績がないと認証されません)。「○月○日のこの時間に、実際に再エネ等で発電された量」を超えて、小売電気事業者が再エネ等の環境価値のある電気を販売することはできない仕組みになっています。

【Q】電気の調達(仕入れたり電力市場を利用する)や、非化石証書の購入などは、どのようにしているの?

【A】小売電気事業者が電気を調達するには、大きく3つの方法があります。1つめは、発電事業者と直接契約をして電気を購入する(相対取引)。2つめは、電力の市場で購入する(日本卸電力取引所(JEPX)で取引をする)。3つめは、自分の発電所で電気を作る(発電事業もしている場合)。

電力市場での取引はいくつか種類がありますが、イメージとしては「購入したい事業者は、翌日の電力について、30分刻みでほしい量を入札する」「発電事業者も、30分刻みで翌日に売りたい電力量を入札する」という感じです(=スポット市場)。すると、多くの人が電気を使う時間帯は、欲しい人が増えるので高い値段で取引されます。逆に、発電が余る時間帯は低い値段で取引されます。

非化石証書は、日本卸電力取引所(JEPX)の「非化石価値取引市場」でしか取引されません。こちらは年に4回実施されます。非化石証書は、すでに発電された過去の分の取引がされます(発電実績がある分について、認証されるため)(参考:上記のスポット市場は、翌日の電気について取引をしています)。
小売電気事業者は、環境価値のある電気を消費者に販売したら、あとからその分の非化石証書をきちんと調達しなければなりません。

【Q】電力会社が「再エネ電気」「非化石証書」「電源構成」などを説明している部分に、やたらと「FIT制度」について書いてあるのはなぜ?

【A】経済産業省「電力の小売営業に関する指針」に、FIT電気やFIT制度に関する説明をきちんとしなければならないと書かれているためです。
FIT電気の調達費用の一部は、国民(消費者)の再エネ賦課金により賄われているということについて、適切な注釈をつけることが求められています。

【Q】「再エネ電気」とは?

【A】「再生可能エネルギーで発電された電気を仕入れる(※)」+「再エネが指定された非化石証書がある」の両方を満たすことで、「再エネ電気」と表示して販売することができます。
再エネで発電された電気を仕入れるだけでは、再エネ電気として販売することはできません。
また、再エネ指定ありの非化石証書を購入するだけでも、再エネ電気として販売することはできません。

※参考:再エネ電気を仕入れる際に、FIT電気を仕入れた場合は、FIT電気の割合やFIT制度の説明を記載しなければならない。

【Q】「実質再エネ電気」とは?

【A】再エネ以外で発電された電気を仕入れている場合でも、「再エネが指定された非化石証書がある」場合は、「実質再エネ電気」と表示することができます。
ただしその場合は、「実際に調達した電源の説明(=どんな発電方法で作った電気を、どれぐらいの割合で仕入れているのかの説明)をして、これに再エネ指定の非化石証書を使用している」ということを、再エネ電気の近くの場所に、分かりやすく表示されている必要があります。

つまり、「できるだけ再エネ電気を仕入れようとしているが、ちょっと足りなくて再エネ以外の電気も仕入れた場合」も、「ほとんどが化石燃料を使って作った電気を仕入れている場合」も、再エネ指定の非化石証書があれば、両方とも「実質再エネ電気」となってしまうため、仕入れた電気の内訳がわかるように表示しなければならないことになっています。

【Q】「CO2ゼロエミッション電気」とは?

【A】非化石証書(再エネ指定あり・なしどちらでもOK)を購入・使用することで、「CO2ゼロエミッションの電気」と表示して販売することはできます。
ただし、その場合も「実際に調達した電源の説明(=どんな発電方法で作った電気を、どれぐらいの割合で仕入れているのか)をして、これに非化石証書を使用している」ということを、CO2ゼロエミ表示の近くの場所に、分かりやすく表示されている必要があります。
また、FIT電気を仕入れた場合は、さらにFITの説明を記載する必要があります。

【Q】電源構成が表示されているのを見ても、ごちゃごちゃ書いてあって良く分かりません。なぜややこしいのですか?

【A】確かにややこしいのですが、電力メニューの表示(=環境価値や、実際に仕入れられた電源に関する情報)を、消費者に誤解を与えないようにするため、経産省が「電力の小売営業に関する指針」を定めています。

・電気の環境価値を表示するためには、「電気をどこから調達してきたのか」だけでなく、「非化石証書の使用状況」も合わせて表示しなければならないと定められています。
・電力市場(JEPX)から調達してきた分は「卸電力取引所からの調達」と分かるように表示されますが、この中には水力・火力・原子力・FIT電気・再生可能エネルギーが含まれています。そのため、電力市場以外からも電気の調達をしている分も合わせて表示されるとさらにややこしく感じます。
・FIT電気は、国民(消費者)が負担しているので、その環境価値は国民のものであるということをきちんと表示しないといけないと定められています。
表示しないといけない項目がたくさんあるのに、事業者ごとに少しずつ表現方法やグラフの作り方も違うので、電源構成を見ると、難しいしややこしいと感じてしまいます。

電源構成の中身だけでなく、電源構成が分かりやすいところに表示されているかどうかや、それが「何年度の実績値」なのか(つまり更新がされているかどうか)、また、電源構成の計画値が公開されているかどうか、CO2排出係数を分かりやすく表示しているかどうかについてを見ることで、事業者の情報公開に対する姿勢も見えてくるかもしれませんね。
(情報の内容によっては、データの確認の都合で公開までにどうしても時間が必要なものもあるようですので、年度がかわってすぐに公開とはいかないものもあるようです)

【Q】再エネ電気の仕組みは、今後も変わっていくのでしょうか?

【A】変わるかもしれません。
例えば、現在の電力に関する市場のやり方が変わっていくかもしれませんし、どの発電所で作られた電気なのかを分かるようにする仕組み(トラッキング)なども検討されているようです。消費者に分かりやすく、また地域の再エネがそれぞれの地域で良い形で増えるような仕組みになっていくと良いですね。

様々な電力メニューに関すること

【Q】料金の仕組みはどんなものがありますか?

【A】電力メニューによって、料金の仕組みは色々とあります。ざっくりですが、次のようなパターンがあるようです。
①基本料金がある・ない(ない場合は、使った分だけ支払う)。
②段階料金がある(一定量以上使った場合は、単価が変わる)・ない。
③単価が固定されている・単価が市場と連動している(※)。
④オプションがある・ない。

(※)単価が市場と連動
日本卸電力取引所の価格等に連動して電気料金単価が決まる。電力市場が安定しているときや、電気を使う時間帯を工夫することで安くなる場合がある。一方で、市場が高騰した際は電気料金単価も高額になるリスクがある。

【Q】電力メニューが多様化することで、どんなサービス(メリット)がありますか?

【A】電力小売が自由化されたことにより、電気を供給することに加えて、様々なサービスやメリットを追加したメニューが増えました。例えば環境に良いもの(売上等を再エネ開発や森林保全等の環境活動に使う場合や、環境保全をしている団体に寄付する等)、社会貢献できるもの、他のポイントサービスと連動してポイントがたまるもの、料金の安さを重視するもの、スポーツチームやキャラクターを応援するもの、インターネットサービスが利用できるものなどが出てきています。

(2021年12月2日更新)