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地球温暖化ってホント?

教えて、江守さん 地球温暖化のホントのところ

地球温暖化に関するよくある質問について、
東京大学 未来ビジョン研究センター 教授/国立環境研究所 地球システム領域 上級主席研究員の
江守正多さんに解説していただきました~

 

Q.本当に人間の活動が地球温暖化を引き起こしているの?

A.人間活動が主な原因であることは疑う余地がありません。

地球の平均気温が上がる原因は、人間活動によるCO2の増加などのほか、人間活動とは関係が無い太陽活動の変動や火山の噴火があり、それぞれが過去100年程度の間に気温におよぼした影響が調べられています。その結果、近年の気温上昇は、人間活動の影響を勘定に入れないと全く説明できないことがわかりました。最新の科学によれば、人間の活動が近年の気温上昇の主な原因である可能性は疑う余地がないことがわかっています。

 

Q.息にもCO2が含まれているけど、息を止めなきゃいけないの?

A.人が息をしても、地球温暖化にはつながりません。

植物は、空気の中のCO2を吸って育ちます。人間は、植物や、植物を食べて育った動物を食べてエネルギーとして使い、呼吸でCO2を出しますが、このCO2は、もともと空気の中にあったもの。空気中に戻るだけなので、地球温暖化にはつながりません。

 

Q.実験もできないのに、どうして人間の影響だとわかるの?

A.「コンピューターの中の地球」で実験を繰り返しています。

「タイムマシン」や「実験に使えるもう一つの地球」はありませんから、本物の地球で実験をすることはできません。そこで、高性能なコンピューターで自然の法則を計算して地球を再現し、「もし人間がいなかったら」など様々な条件を与えて詳細に計算することで「実験」(シミュレーション)を繰り返しています。コンピューターの発達により、「実験」の精度はどんどん高まっています。

 

Q.太陽が強くなったから気温が上がっているんじゃないの?

A.太陽の強さの影響は、大きくはありません。

太陽活動は11年ほどの周期で強くなったり弱くなったりを繰り返しています。長期的に見れば、もっと大きな変化があります。しかし、平均気温に与える影響はそれほど大きくありません。実際、ここ数十年間に太陽活動は弱まっていますが平均気温は上がっています。このまま太陽活動が弱まっていっても、温暖化を少し遅らせる程度の影響しかありません。

 

Q.もうすぐ氷期が来るって本当?

A.次の氷期は5万年先と言われています。

氷期と間氷期が繰り返されるのは天文学的な現象で、そのメカニズムはかなり解明されています。天文学的な予測から、次の氷期がくるタイミングは5万年先と考えられています。しかも、人間活動による温暖化が氷期の起きるメカニズムに勝ってしまう可能性があり、5万年先の氷期もくるかどうかわかりません。

 

Q.CO2より水蒸気の方が重要だって聞いたのですが?

A.人間活動によって直接増えているのはCO2です。

水蒸気は最も重要な温室効果ガスですが、水蒸気の量は気温などの自然条件によって決まり、人間活動の直接の影響はほとんどありません。一方、CO2は、人間が石油や石炭を燃やすことなどにより、空気中の量が増えていきます。人間が直接的に空気中に増やしている温室効果ガスとしては、一番重要なのはCO2です。ただし、CO2が増えることによって気温が上がれば、結果として空気中の水蒸気量が増えて、さらなる気温上昇につながります。

 

■様々な疑問に関してもっと知りたい方は、こちらをご覧ください。

国立環境研究所『ココが知りたい温暖化』

http://www.cger.nies.go.jp/ja/library/qa/qa_index-j.html