事業内容

「何とかしなあかん」社会課題、心配するだけで終わらない!:居原田晃司さん

第10期地球温暖化防止活動推進員、府内で活躍中!
「何とかしなあかん」社会課題、心配するだけで終わらない!
居原田 晃司 さん(宇治市)

家業である印刷会社で働きながら、地元・宇治市の地球温暖化対策推進パートナーシップ会議(愛称:ecoット宇治)をはじめとして、様々な活動をされている居原田さん。どんな活動をしているのか、そして活動の原動力は何かについて、お伺いしました。

 

■「何とかしなあかん」には、首を突っ込みたい

インタビューは意外なお話から始まりました。
「推進員の他に、いま、京都府の婚活ボランティア(※1)もしているんです」と居原田さん。府が主催する婚活イベントの司会を手伝ったり、婚活参加者を対象としたオリジナル企画をしたりしているそうです。
今年の9月に居原田さんが企画したオリジナル企画は、男性を対象としたレベルアップ講座。前半は服装をテーマとした座学を、後半は参加者が実際に店舗で自分に似合う服のアドバイスを受けられるもの。
どうして婚活ボランティアをしようと思われたのでしょうか。
「何とかしなあかんことには、首を突っ込みたいんです。少子化問題は以前から言われていて、日本の人口が減っていってこれからどうするのか。みなさん心配されています。でも心配だけで終わらずに、『何かしないと』って思います。推進員活動も一緒なんです」

(※1)きょうと婚活応援センター:婚活マスターとは

https://pref-kyoto-konkatsu.jp/?page_id=1916

 

■ecoット宇治の活動

居原田さんも参加しているecoット宇治(※2)では、グループがそれぞれ精力的に活動をされています。

例えば、エコライフ推進グループでは、以前、城陽市の推進員さんたちがLED電球の無料交換会をしたと聞きつけて「宇治でも実施しよう」となったそうです。今年(2022年)10月末に、「無料のLED電球への交換会」を実現されました(※3)。

森林保全グループでは、「しいたけの植菌体験イベント」を予定されています。これは木の有効利用や森林に親しみを持ってもらうきっかけになるように昨年度初めて実施されて、たいそう好評だったとか。

その他にも、子どもの不要なおもちゃの交換会をする「かえっこバザール」の環境学習推進グループ、水力発電を実際に作って啓発をした再生可能エネルギー推進グループ、夏のゴーヤカーテン講習会などを実施するみどりのまちづくり推進グループ、毎月1回宇治市役所での省エネ相談会、定期的に集まって気軽にエコの話ができる「ecoットカフェ」など、様々な活動を展開されています。

居原田さんは広報グループに入って、年4回の広報誌作成に関わっておられます。「その他は、イベントを実施するときに足りない机を探してきたり、道具をそろえたり。裏方が多いですよ」とのこと。

ecoット宇治には地元の事業者さんも会員として一緒に活動されています。
「ecoットカフェ」に事業所会員の方も参加されて情報交換をしたり、事業所会員の店舗とコラボして省エネ相談所を実施されたりしたこともあるそうです。
毎年実施しているゴーヤの苗の配布と講習会ですが、今年度は市の予算の都合がつかなかったとのこと。でもそこであきらめずに、事業所会員等から寄付を募ることで配布用の苗をまかなうことができたそうです。前述のLED無料交換会で準備したLED電球も、事業所会員等からの寄付で実現されています。

「ecoット宇治は、市民・事業者・行政が互いに協働しながら温暖化防止の具体的な取組を進める場です。市役所と協力しながら進めていますが、きっと行政に頼り過ぎてもいけないし、良いバランスでやっていきたいと思っています」と居原田さん。
「個人も事業者さんも、新しい会員さんは大歓迎です」

(※2)宇治市地球温暖化対策推進パートナーシップ会議(愛称:ecoット宇治)

https://www.city.uji.kyoto.jp/soshiki/21/6805.html

(※3)ecoット宇治Facebook:LED電球への無料交換会~手軽に出来る省エネ術~開催案内

https://www.facebook.com/ecottouji/posts/pfbid02UGJWBg85q9StxxpcL8rU4hoWmDuU8maD7PdtEB5ZwonKe9e12VQb2pKBTnymqS9vl

 

■小学校の環境教育を応援!

居原田さんは印刷会社の社長として、一般社団法人京都中小企業家同友会宇治支部(※4)に参加されていて、現在は幹事を務めておられます。
中小企業家同友会とは、中小事業者さんがそれぞれの地域(支部)で自主的に活動を展開されています。会員同士で情報交換をしたり、経営環境を良くするための勉強会をされたりしているそうです。講演会を聞いたあとはグループディスカッションをするなど、経営者として学ぶことが多いそうです。

同友会の宇治支部は、京都府・京都府地球温暖化防止活動推進センターが毎年夏休み期間に実施している「CO2ゼロチャレンジ(※5)」に協賛してくださっています。
学校ぐるみでの参加を促すための「学校参加キャンペーン」の特賞をご提供くださっています。
宇治支部が協賛してくださるようになったきっかけは、居原田さんが会議の中で、こういう協賛募集があるよということをご紹介してくださったからだそうです。

(※4)一般社団法人京都中小企業家同友会宇治支部

https://kyoto.doyu.jp/sibu/uji

(※5)CO2ゼロチャレンジ

夏休みの期間中に、地球温暖化防止のためにCO2を出さない生活や未来について考える取組です。小学生対象。今年度(2022年度)は8事業者・団体が協賛しています。

https://www.kcfca.or.jp/project/natuyasumi/

 

■11/27(日)「宇治環境フェスタ ~エコ・アクションでゼロカーボン~」開催

現在、まもなく開催予定の「宇治環境フェスタ(※6)」の準備を進めておられます。
京都文教大学の学生さんによるファッションショーや、環境講座、クイズ大会、オリジナルエコバッグづくりにワークショップに展示企画と、一日もりだくさんのイベントです。
居原田さんお勧めの企画についてお伺いしました。
「ecoット宇治のメンバーの企画にもぜひ参加してほしいですが、学生さんの企画にも注目いただきたいです。今回は、奈良女子大学の学生と卒業生で構成されるNaLab.が『がちかん(※7)』というカードゲームをしてくれます。『がちかん』とは、『がち』で『環』境問題を考えるディベート型のゲーム。プレイヤーは王様になって、開発するか保全するかしながらポイントを稼ぎます。小学生から参加できます」
「成安造形大学の学生さんは、昨年に引き続き『トビケラ』の展示をしてくれます。トビケラは蛾のような虫で、観光地で飛んでいると嫌われがちですが、実は幼虫が川の水をきれいにしてくれています。学生さんがそれを展示で紹介してくれています」
「チラシには間に合わなかったのですが、立命館宇治高校のSDGsに取り組む生徒さんたちも展示に参加してくれることになりました」
居原田さんが色々なところに「首を突っ込んで」みたことがきっかけで繋がりができ、こういったイベントの企画につながることもあるそうです。

 

「もうひとつのお勧めは、現在、宇治市で行っている『宇治市エコ・アクションポイント(※8)』。今年度の環境省補助事業で、アプリを入れてエコ・アクションを実施することでポイントがたまり、ポイントは電子マネーに交換することができます。環境フェスタのイベントに来たら50ポイント、その他のブースを回って最大200ポイントもらえます。対象は宇治市民のみですが、こういったことも一つのきっかけになって、具体的な環境に良い行動が広がっていけばと思っています」

(※6)宇治市ホームページ:宇治環境フェスタ

https://www.city.uji.kyoto.jp/soshiki/21/43588.html

(※7)奈良女発ディベートゲーム「がちかん」

https://www.e.ics.nara-wu.ac.jp/~nalab/gachi-can_1.html

(※8)宇治市エコ・アクションポイント

https://www.city.uji.kyoto.jp/soshiki/21/52366.html

 

■環境学習ゲームのファシリテーターとしても活動

居原田さんは、「がちかん」意外にも、楽しく環境を学ぶゲームを以前から使っておられたそうです(例えば、「My Earth(※9)」など)。「以前は小学生と定期的にする場があり、盛り上がってました」

最近では、SDGs学習ゲーム「Get The Point(※10)」のファシリテーターとして、生協さんのグループで実施をしたり、木津川市の推進員さんに手伝いを呼びかけられて学校の出前授業で実施されています。

「まだアイデア段階ですが、たとえばイベントでも、ゲームばかりするブースがあっても面白いなと思います。いろんなゲームを用意して、一日でいろいろと体験できる会とか、できたらいいいですね。例えば海洋ゴミを減らすゲーム(※11)など、本当に色々なゲームがあります」

(※9)My Earth

https://soela.jp/my-earth/

(※10)SDGs学習ゲーム Get The Point

https://www.sdgsgtp.com/

(※11)チェンジ・フォー・ザ・ブルー

https://www.karatsusdgs.com/projectdesign.html

木津川市中学校の出前授業にて、SDGs学習ゲーム「Get The Point」を実施する居原田さん

 

■活動の原動力は?

ecoット宇治での活動に、印刷会社の社長、同友会での活動、環境学習ゲームのファシリテーターに出前授業の実施、婚活ボランティアの他にも、河川レンジャー(※12)や地元の少年野球のコーチ(なんと、年長~小1の子どものチームだそうです!)もされている居原田さん。
パワフルな活動の原動力はいったい何なのか、お伺いしました。

「最初の方でもお話しましたが、何とかしなあかんこと=社会課題は、心配しているだけで終わってしまったら何も変わらない。なので、できるだけ首を突っ込みたいなという気持ちがあります。新しいことが好きだというのもあると思います。例えば毎年恒例のイベントでも、何か去年と違うことを取り入れたら、去年来てくれた人たちにも楽しんでもらえることができますよね」

「それから、人と出会うのは楽しい。実は学生のころは、そんなに人としゃべらなくてもいいと思っていました。理系だったので、実験ばかりするような研究職が良いなあと考えていた時期もあり、そういうところに就職したつもりが、まさかの営業部署へ配属に(笑)。でも、それもいい経験になりました」

取材中にも、「婚活イベントで環境のゲームをしてもらうのも面白いかもしれない」と新しいアイデアを思いつく居原田さん。これからも楽しい企画が誕生しそうです。

(※12)国交省ホームページ:河川レンジャー

https://www.river-ranger.jp/about/about.html