京都府地球温暖化防止活動推進員活躍中!「人とのつながりをつくって、素敵な住みよい街へ」 向島駅前まちづくり協議会 服部加奈子さん・福井義定さん
2024年12月22日、近鉄向島駅前広場で「わいわい元気バザール」が開催され、手作りクッキーや野菜を買う人、音楽のステージを楽しむ人などで賑わっていました。この実行委員にも推進員さんがいらっしゃいます。今回、服部加奈子さんと福井義定さんにお話しを伺いました。お二人は「NPO法人向島駅前まちづくり協議会」で地域の活動もされています。
●●子どもが大人を取材する「子ども新聞」づくり ~服部加奈子さん~
服部加奈子さんは、inote+P (あいのてぷらすぴー)という団体の代表をされており、子どもたちが記者になって地域の人やお店、企業等に取材をし、記事にする「子ども新聞」を作成しています。「わいわい元気バザール」では、来場した子どもが他のブース出展者を取材するワークショップも行っています。
「いつもは市内の小学生を対象に記者を募集しています。『見て触って、五感を使って体験できるのがすごく面白い』と毎回応募してくれる子どももいます。回を重ねるごとにリピーターが増えてきて嬉しいです。」と服部さん。
子どもたちは取材をした後、30分で記事と見出しを書き上げます。
取材先は、ご縁のあった人や企業などが協力してくれるそうです。
「今まで取材に行ったところは、京漬物屋、ダンボールの会社、宮大工の会社などです。最近では、95年続いてる自転車屋さんに行って、自転車の歴史や、お店を継ごうと思った理由などを伺いました。その自転車はとても高価なんですが、その分おばあちゃんお母さんお孫さんの3代で乗り継ぐと結局エコになるよねっていう話などをしてくださいました。」
取り上げるテーマは、服部さんが興味のある環境分野が多いそうです。理想は子どもたちにテーマを決めるところからやってもらいたいので、体制を整えられたらいいなと思っているとのこと。
●●環境問題への関心
服部さんが環境問題に興味を持ったのは、小学生のときだそうです。
「たまたま作文のテーマとしてオゾン層の問題を取り上げ、文集に掲載されたことがきっかけです。それからずっと気にするようになりました。いいことをすると気分がいいといった感じで。大人になって始めた趣味も、スノーボードやサーフィンなどの自然と一体化するようなスポーツが多かったので、天気や温暖化のことは自然と気にするようになりました。
子どもが産まれてからは、畑を始めました。農薬を使いたくなかったので、試行錯誤しましたが、今はぼかし肥料を自分で作って無農薬で栽培しています。今育てているのは青パパイヤ。ビタミンたっぷりで、どんな料理にもあう万能野菜なのでおすすめです。京都のあちこちで青パパイヤをつくる人を増やしてるんですよ。」
●●子ども新聞を通じて世代間の交流を
とっても興味深い子ども新聞の取組。どうして始められたのでしょうか。
「本業が介護職なんですが、高齢の方々は人とのつながりを求めていて、何かしゃべりたいっていう気持ちがたくさんあるんです。でも子ども世代はコロナ禍でしゃべる機会が減ったり、私たち親世代は、スマホひとつで何でも完結できたりと、人とのつながりが希薄になっていると感じていました。それで、子ども新聞というツールを使っていろんな人と繋がれたら面白いと思ったのがきっかけです。
最終的には、その子ども新聞を読むことで、最近の子どもたちの感性を高齢者の方々にも知ってもらいたいし、その子ども新聞を手渡しすることで地域の見守り活動みたいなことにもなったらいいなと思っています。」と、服部さん。
完成した子ども新聞は、今は児童館などに貼ってもらっているそうです。また、WEBでも見ることができます。
※WEBサイト「まちにツッコむ!子ども新聞」
https://kyoto-kodomo-shinbun.my.canva.site/
子ども新聞の作成がゴールではなく、それをツールにして世代間の交流を考えておられることに驚きました。子ども新聞の可能性にわくわくします。
●●「NPO法人向島駅前まちづくり協議会」会長~福井義定さん~
「NPO法人向島駅前まちづくり協議会」の会長は、推進員でもある福井義定さんで す。
前述の「わいわい元気バザール」は、元々は6年前に障がいのある方と地域の高齢者とのふれあいの場づくりを目的に、まちづくり協議会と地域の障がい者施設が中心となり始まりました(2024年12月より実行委員会方式で開催)。
現在は年4回行われていて、地元の人がお菓子を販売したり、音楽のステージを楽しんだりしています。例えば、ロケットストーブの実演などもありました(実施したのは桃山エコ推進委員会で、多数の推進員さんが所属しています)。
●●住みよい街づくりのために
高層ビルが立ち並ぶ向島ニュータウンですが、その中にある中央公園には多くの自然があり、桜、紅葉、雪景色など四季の移り変わりを体感できます。撮影が趣味という福井さんに、四季折々の写真をたくさん見せていただきました。
その公園では、同じく推進員の山﨑洋一さんが会長を務める「向島中央公園愛護協力会」の活動として、公園で集めた葉っぱを燃やさずに埋めて堆肥にする取組を行っており、京都市のごみ減量イベント「エーコと伏見」で活動を紹介する展示をされたそうです。
また、地域にある宇治川河川敷のヨシ原には、希少な水生植物が残っており、野鳥のねぐらにもなっています。この豊かな生態系が残るヨシ原を守る活動もされています。こちらも生物多様性センターの生き物フェスで活動紹介の展示をされています。
その他にも福井さんは、定期的に朝市を開いたり、17年続く年に1度の「向島まつり」を開催したりされています。向島まつりは小中学生の演奏やダンスのステージ、出店などがあり、昨年は2000人以上の参加者で盛り上がりました。
どうしてそこまで活動ができるのでしょうか。
「好奇心が旺盛で、面白いと思ったものにはすぐに飛びついて、のめり込んでいくんです。街づくりや、自然を守る活動みたいなものに。それがどんどん増えていくんです」と福井さん。
元々は営業の仕事をされていましたが、仕事のストレスなどで心身を壊したこともあり、61歳で仕事をすぱっと辞められたそうです。その後20年に渡り、人が集まり交流できる場を地域でつくり続けておられます。
●●最後に
「脱炭素ですてきな地域づくり」には、服部さんや福井さんのような地域の人々をつなげる活動が欠かせません。人とのつながりをつくる活動にたくさんの推進員さんが関わり、住みよい街づくりが進んでいます。今回お話を聞いて、向島は魅力あふれる人々と自然と歴史のある地域だと改めて感じました。向島のように人と人がつながる場が京都府内でたくさん広がるといいですね。
NPO法人 向島駅前まちづくり協議会ホームページ