インフルエンザや風邪にかかりにくい家とは?(断熱と健康)
インフルエンザや風邪にかかりにくい家とは?
引っ越しでアレルギーや高血圧がましになる人がいる秘密は、
「断熱がしっかりして、冬暖かい家」だから。
引っ越しをしたら、病気(疾患)が改善した―――。
断熱性能の低い家から、断熱性能の高い家に引っ越しをした人を調査したところ、いくつかの疾患について改善した人がいることが分かりました。
【疾患名と改善率】
※改善率は、「引っ越し前に症状のあった人数」と「引っ越し後に症状が改善した人数」の割合(%)
疾患名 改善率
アレルギー性鼻炎 27%
アレルギー性結膜炎 33%
アレルギー性皮膚炎 58%
気管支喘息 70%
高血圧性疾患 33%
関節炎 67%
肺炎 62%
糖尿病 69%
心疾患 80%
「断熱性能の向上による有病率の改善」
出典)健康維持がもたらす間接的便益(NEB)を考慮した住宅断熱の投資評価
日本建築学会環境系論文集第76巻第666号735-740 2011年8月
また、風邪やインフルエンザに罹りにくくするために、室内の温度・湿度を適切に保つことはとても有効だと言われています。
断熱のしっかりした家は、インフルエンザや風邪にかかりにくい。
断熱のしっかりした家(やマンション)に引っ越しをすることで、疾患が改善する人がいる。
こちらも参考に…
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/shoenehou_assets/img/library/kenkosyoene.pdf
●総コレステロール値が基準値を上回る人は、室温が18℃以上の住宅に比べて、12~18℃の住宅で1.8倍、12℃未満の住宅で1.9倍、有意に多い。[血中脂質と室温の関連(多変量解析)]
冬季の室温と血中脂質の関連 ~スマートウェルネス住宅全国調査~
海塩渉(東京工業大学 助教) 動脈硬化・血栓症誌 2022年12月掲載
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35570002/
●心電図に異常所見がある人は、室温が18℃以上の住宅に比べて、12~18℃の住宅で1.8倍、12℃未満の住宅で2.2倍、有意に多い。[心電図異常所見と室温の関連(多変量解析)]
寒冷住宅の住居者の心電図異常 ~スマートウェルネス住宅全国調査~
海塩渉(東京工業大学 助教) 環境健康・予防医学 2021年10月号掲載
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34641787/
WHOが「暖かい住まい」「断熱」を勧告!
WHO(世界保健機関)は、「住宅と健康に関するガイドライン」で、
- 健康を維持するために冬の室温を18℃以上に(小児や高齢者はさらに暖かく)と強く勧告しています。
- 新築や改修時の断熱を条件付きで勧告しています。
高断熱住宅に住むことは、健康状態改善に関連します。
WHO「住宅と健康に関するガイドライン」(英文)
https://www.who.int/publications/i/item/9789241550376
それにもかかわらず、基準を満たす日本の住宅は、約1割しかない!
日本の住宅約2000件を調査したところ、
WHOが勧告した「18℃以上」を満たす住宅は1割しかありませんでした。
冬季の室内温度格差:全国スマートウェルネス住宅実態調査の横断分析から(2020年11月)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32573794/
室温と健康の関係
断熱をする機会は少ないからこそ、チャンスを逃さないで!
水回りや耐震リフォームのタイミングで「ついでに断熱」を!
また、新築や引っ越しのタイミングを逃さずに、断熱のしっかりした家に住みましょう!
⇒具体的なリフォーム等に役立つ情報はこちらをご覧ください。
京都府ホームページ「省エネ住宅について」
https://www.pref.kyoto.jp/tikyu/shouenejyuutaku.html