【宮津市】地域を照らす省エネ照明 ~推進員が自治会で進めた街灯LED化~
宮津湾に面し、天橋立を望む高台にある住宅地、東波路地域。この街を照らす明かりは、数年をかけてLED化が進められてきました。その担い手となったのは、京都府地球温暖化防止活動推進員の岡田道夫さんです。
平成21年の「きょうとECO-1グランプリ2009」に参加した岡田さんは、グランプリを受賞した「長岡中央商店街(アゼリア通り)エコチャレンジ~自作LEDランプでCO2削減~」の事例を見て、「これは各地で応用できる!」と感じたそうです。すぐに、長岡京の取り組みで照明器具を提供した業者さんとコンタクトをとり、「街灯のLED化による電力コスト低減計画」というタイトルの提案書を作成して自治会に働きかけました。これを受け、自治会は年度内に2基の照明をLED化。以降、平成24年度までに、毎年数基ずつ、計21基の更新を進めてきました。
提案は、自治会ですんなりと受け入れられたそうです。そのコツはなんだったのでしょう。「コツというほどのものはありません。街灯の電気代は自治会が負担しています。LED化によって数年でもとが取れるならば、自治会にとってメリットのある話です。ただ、使える予算は限られていますから、一度に全部更新することはできません。予算の許す範囲で、年に数基ずつ進めていったのが、コツと言えばコツでしょうか。役員は毎年交代しますが、申し送りがしっかりできれば問題ありません。」岡田さんは語ってくださいました。
平成25年度、宮津市は、環境省の事業を活用し、市内にある約4000基全てをLEDに更新しました。これにより宮津市の街灯の99%がLEDになり、年間で約178tのCO2が削減されることになります。東波路自治会でも、全ての街灯が市によって更新され、新たな光が街を照らしています。市の担当者の小西正樹さん(自立循環型経済社会推進室)にお話をうかがうと、こんな答えが返ってきました。「私自身が岡田さんに何度もお話をうかがって、実際に照明を見せてもらっていましたので、LED街灯が、温暖化防止の面でも自治会の経費削減の面でも効果的であることを実感できていました。だからこそ、国の補助メニューを見たとき『よし、全市でやってみよう』と決断することができました。」
岡田さんに、「『自分の自治会でも街灯LED化を進めたい』という人へのアドバイスはありますか」とお聞きしたところ、こう答えてくださいました。
「私自身が、自治会の役員をやってみて初めて気づいたことがあります。それは、『蛍光灯や水銀灯の街灯は、思いのほかしょっちゅう切れる』ということ。その度に、電気屋さんに連絡して高所作業車で工事をしてもらって・・・。コストも手間もかかってしまいます。LED化してからは一度も切れていませんから、ずいぶんと役員が楽になりましたよ。こんな副次的なメリットがあることも知ってほしいです。進めるにあたって特に問題になる点は無いと思います。平成23年12月から、関西電力が『10Wまでの公衆街路灯』という新たな料金区分を設定しましたので(※注:それまでは「20Wまで」が最小区分だった)、コストメリットも生まれやすくなったと思います。自治会でよく話し合って、合意を形成して進めて行かれたら良いと思います。」 (木原浩貴)(2014年取材)
- 当ページの情報は京都府地球温暖化防止活動推進センターが2013年度に取材したものです。
- 各活動の詳細については、京都府地球温暖化防止活動推進センターにお問い合わせください。
- 当ページは、環境省「平成 25 年度 地域での地球温暖化防止活動基盤形成事業(地域における地球温暖化防止活動促進業務(京都府))」により作成しました。