事業内容

市民にも、社員にも!ゴーヤ先生と一緒に広がった環境活動の輪:土田真奈見さん

第10期地球温暖化防止活動推進員、府内で活躍中!
今回は土田真奈見さん
市民にも、社員にも! ゴーヤ先生と一緒に広がった環境活動の輪

 

 福知山市みどりの親善大使である「ゴーヤ先生」の産みの親、土田真奈見さん。福知山環境会議の副代表として、また、エスペック株式会社のサスティナビリティ推進本部の環境管理部長として、日々活躍されています。
地元の人たちも会社の社員さんたちも巻き込む活動について、お話をお聞きしました。

 

■みどりのカーテンは「楽しい、見てもキレイ、涼しい、ゴーヤも食べられる!」

福知山といえば、『ゴーヤ先生』と『みどりのカーテン』がパッと思い浮かびます。
「みどりのカーテンは、入り口としては簡単で、取り組みやすいんです。そこから環境のことに関心を持ってくれた方が増えたのかな、と思っています。それに、10年以上続けてきたからこそ、こんな風に広まってきたと思います」と土田さん。

ゴーヤ先生が誕生したのは2007年。福知山環境会議の年配のメンバーの方に、これからみどりのカーテンを増やしていきたいから、紙芝居を作って小学校で出前授業してもらえない?と言われたことがきっかけだったそう。
「その紙芝居に登場したのがゴーヤ先生です。子どもたちに注目してもらうために、手作りでぬいぐるみも作りました。それから、自分達でもみどりのカーテンを育てようとなったんですけれども、最初はうまく育たなかったんです」。
土田さんが勤めるエスペックの植物事業をやっている子会社の方に夏野菜の育て方を教えてもらったことも。また、日本各地でみどりのカーテンに取り組む人とも繋がりができ、その中から育て方のコツを蓄積するなど、トライアル&エラーを繰り返しながらオリジナルの育て方ガイドブックを作成されました。

 

■福知山の地元の人も、会社の人も巻き込みながら

ノウハウを得ながら福知山での活動をしていた土田さんですが、リーマンショックの影響で会社が一時帰休になったそうです。そのとき会社の仲間たちと「会社のためにできることをやろう」と話す中で、みんなで協力してゴーヤの歌を作詞作曲したそう。
「歌ができたら、次はダンスだ!」となりました。「ラッキィ池田さんに、みどりのカーテン活動に賛同して頂き、振り付けをしてもらうことができたんです。その歌とダンスを、当時の福知山市長、商店街の皆さん、地元婦人会の皆さんにも一緒に踊っていただきました。地域活動に思いを持っているたくさんの方たちにここまで協力してもらったら、もうやめられないですよね(笑)。だから、例えば新型コロナウィルスの感染拡大といったような難しい状況があっても、YouTubeに挑戦するとか、活動をやめずに続けてくることができました」。
お金のことやマンパワーのことなど、活動を続けていると様々な問題が起こりますが、それを乗り越えないと10年以上は続かない。信頼関係を築きながら続けてきたからこそ、認知され、評価され、思わぬところまで広がっていくようになった、と土田さんはおっしゃいます。

 

■会社の活動として

土田さんの会社で実施している「エスペックみどりの学校(※)」で育て方を伝えた方は、累計で17,800人を超えたそうです! エスペックではこの事業を環境活動の「人づくり」と位置づけています。
でも、最初の頃は「なんでゴーヤなの?」と言われたこともあるとか。
「みどりのカーテンって本当に入り口。楽しそうだね、涼しいね、おいしいねというところから入って、地球温暖化問題のことも考えてもらう。そうすると、ちょっとエアコンの温度を下げてみようとか、必要ない電気は消してみようとか、実際の行動に繋がっていきます。社員と家族にもゴーヤの苗を配って、親子で考えてもらうきっかけになったりしています。その結果、今は社員が製品開発をする時に、できるだけ省エネの運転ができる製品を作ろうとか、地球温暖化係数のできるだけ低い冷媒を使おうとか、そんなふうに意識が変わることに繋がっていると思います」。

(※)エスペックみどりの学校
みどりのカーテン育て方ガイドブック(ダウンロード可)や、ゴーヤソングなども掲載。
https://www.espec.co.jp/green_school/

 

■脱炭素に舵を切る最後のチャンス! 企業と行政が一緒のチームで進めたい

土田さんの本業は、会社のCO2排出量を減らすこと。だからこそ感じていることがあるそうです。
「実際のところ、大きな企業の環境担当者は、今年から強制的にCO2排出量を減らさないといけないような状況に置かれています。だから、今このタイミングで、福知山市や京都府などの行政の皆さんには、大企業だけじゃなくて中小企業さんも含めてアプローチしてほしい。2030年の目標を一緒に作ったり、脱炭素の方向にぎゅっと引っ張ったりしてほしい。いまが最後のチャンスじゃないかなと思っています。私たちがやってきたCO2を減らす取組で何かお手伝いできることがあればやりますし、ぜひ一緒に、チームで進めていきましょう!」。

 

■若い人にバトンを繋ぐ

もっと理解者を増やしたい、まだまだ足りていない。でも、人を動かすって難しい。
「福知山市ではみどりのカーテンの実施率調査をしていて、ピーク時には3万世帯のうち3,000世帯が実施。それでも1割でした。人の気持ちを変えて行動を起こすということは、よっぽどすごいことなのだと思います。それを広げていくには、やっぱりブラッシュアップしながら活動を継続することが必要かなと思います。私がいなくても続けられるようにしたいですね」土田さんの言葉には実感がこもっています。

日々、ゴーヤ先生を通じて、みどりのカーテンのこと、地球温暖化のこと、冬の断熱のこと等、さまざま切り口で親しみやすい情報発信を続けておられます。
「次の世代に繋ぐためには、今の小学校・中学校の子どもたちにも、しっかり教え続けるっていうことをやっていかないといけないと思います。難しいですけど、本当に地球環境のことを考えて、行動していただける人をどうやって育てるのかっていう、人づくりですよね」。

福知山市には大学があるので恵まれているし、若い人を巻き込んでいきたい、と土田さん。若い人に前に出てもらい、目立ってもらうことが大切、とおっしゃいます。
「私に声をかけてくださった年配の方も、そういう思いだったのではないかなと思います。私はまんまと活動することになりましたけど(笑)。今度は、私たちがそれをしないといけないのかなと思います。もちろん、まだまだ私も活動を続けます。次の世代にちゃんとバトンを渡しつつ、その人を後ろから支える役割に、自分をステップアップさせたいですね」。