事業内容

「自分の言葉で、環境のことを伝えたい」 ~コロナ禍の中でも、やりたいことを見つける~ 大学生・平井鈴音菜さんの活動

第10期地球温暖化防止活動推進員、府内で活躍中!
「自分の言葉で、環境のことを伝えたい」
~コロナ禍の中でも、やりたいことを見つける~
大学生・平井鈴音菜さんの活動

現役大学生の推進員・平井鈴音菜(ひらいれおな)さんは、2021年度から京都府の「WE DO KYOTO!ユースサポーター(以下、ユースサポーター)(※1)」として活動されていて、今年で2年目です。
ユースサポーターではどんな活動をしているのか、お伺いしました。

■WE DO KYOTO!ユースサポーターとして活動

ユースサポーターとは、京都府と共に環境啓発活動を行う若者として、京都府知事から委嘱を受けて活動されている方のことをいいます。

今年度のユースサポーターの活動として、一つは環境活動に熱心に取り組んでおられる企業さんを訪問して取材をされています。もう一つは情報発信です。ラジオでの発信や、イベントで京都府の職員さんと協力しながら啓発活動をされています。その他、環境に関する勉強会や、ユースサポーター同士で話し合う会議があり、コロナ禍の中でもオンラインを活用して離れた場所の学生さんも参加できているとのこと。

平井さんは企業訪問にも積極的に参加されています。学生の視点で、企業がどんな環境への取組をしているのか、SDGsとの関連などについて、ユースサポーターの仲間と取材をされました。
「織物工業の会社の株式会社川島織物セルコンさん(※2)では、排水処理の様子を周囲の住民の方に公開されているというお話を聞きました。一般の方、住民の方とのコミュニケーションを大切にされているんだなと感じました。株式会社島津製作所さん(※3)も同様に、コミュニケーションを大切にされています。環境教育に力を入れておられて、生物多様性に関するオリジナルゲームのカードをいただきました。また、絶滅の恐れがあるフタバアオイの保全にも力を入れておられました。島津製作所さんは測定機器などを作っておられるメーカーなので、大学の授業や実験で使った機器もあり、その点もとても興味深く楽しかったです」。


企業訪問・取材の様子

そうして取材した内容を、ラジオ(FM845・https://www.fm-845.com/)の特別番組「僕らのWE DO KYOTO!」の放送で情報発信されています。9月のラジオでは、平井さんを含めて5人のユースサポーターが参加してお話されました。
30分の番組ですが、放送を聞いてみると、ユースサポーターの学生さんたちのお話はきちんと整理されていて、幅広い情報をそれぞれがしっかり語っておられるのにビックリ。これだけ濃密な内容をお話するためには、事前の準備が相当必要なのでは、と感じました。
「ラジオで話をする内容は、ユースサポーター同士で話し合いをして決めています。なので、ラジオに出演しなかったメンバーの意見や想いなども含めて伝える内容になったんじゃないかな、と思っています」。


ラジオ収録の様子

イベントなどの機会でも、ユースサポーターとしての情報発信をされています。2022年10月6日には、けいはんなオープンイノベーションセンターにおいて開催された『京都スマートシティエキスポ』にて、企業と若者のトークセッションが開催され、ユースサポーターの一員として登壇されました(「KYOTO地球環境の殿堂」サイドイベントとして開催。※4)

(※1)京都府ホームページ:WE DO KYOTO! プロジェクト
https://www.pref.kyoto.jp/tikyu/wedokyoto.html

(※2)エコこと学ぼ:学生の取材特集:「企業、消費者、地域で環境を守る」取材先:株式会社川島織物セルコン
https://eco-study.kyoto/student/student-1564/

(※3)エコこと学ぼ:学生の取材特集:「科学技術で持続可能な社会の実現へ」取材先:株式会社島津製作所
https://eco-study.kyoto/student/student-1773/

(※4)KYOTO地球環境の殿堂ホームページ:サイドイベントの開催について
https://www.pref.kyoto.jp/earth-kyoto/annai/side.html?_fsi=LUruF08P

■自分の言葉で、情報や想いを伝える

ユースサポーターの活動は、どのあたりにやりがいがあるのかをお伺いしました。
「府の職員の方が、ユースサポーターの意見をしっかりと聞いてくださって、任されていると感じるところです。ラジオで話をする内容も、他のユースサポーターと話し合って決めています。それから、他の大学の方・他学部の方と一緒に、対等な立場で活動する中で、自分とは違う視点のお話を聞くことができます。私は理工学部で環境学を専攻しており植物のことに関心を持っているのですが、例えば他のユースサポーターからは経済学の観点からの意見が聞ける。そういうのがとても面白いです」。

中高生のころから学校の中でもプレゼンをする機会が多かったという平井さん。自分の言葉で情報や想いを伝えることを大切にされています。
「違う意見の人たちがいても、お互いがお互いを尊重できるような社会になってほしいです。批判をするだけでなく、意見や提案をしたいと思いますし、他の人にもそうしてほしいなと思っています」。
コロナ禍とほぼ同時に大学生活が始まり、当初は色んなことをやりたいという気持ちがあるのに活動そのものが全然なくて、焦った時期もあったそうです。そんな中でも色々とアプローチしてつながりをつくり、SDGs関係の学生団体『you 結』で代表を務めるなど、オンラインも含めた様々な活動に積極的に参加されています。


現在は理工学部の3回生で環境学を専攻しており、大学では化学・物理・生物・地学の全てを幅広く学んでおられますが、植物が好きで、植物園の年間パスポートを持っているぐらいだそうです。大阪自然環境保全協会でインターンとして植物調査もされています。
「ちょっと珍しいねって言われるのですが、好きなのがシダ植物です。中一の理科でシダ植物の葉の裏に≪胞子のう≫があると習いました。ちょうど友人の家にシダ植物があって、葉の裏を見たらきれいに並んで付いていて感動したんです。特に好きなのが≪ビカクシダ≫というシダ植物で、ガーデニングでは≪コウモリラン≫と呼ばれています。他には、コケ植物も好きです。じっくり見る方は少ないかもしれませんが、≪朔(さく)≫の姿が好きなんです」。


府立植物園で平井さんが撮影したビカクシダ。  沖縄でビカクシダとツーショット。

「例えば絶滅危惧種などはどうしても植物よりも動物の方が注目されがちだけど、本当はどちらも大変な状況なんです」と平井さん。将来は今のところ、植物保全の研究をしたり情報発信をしたいと考えているそうです。
「地球の生物は、動物だけでなく植物もいることを忘れないでほしいな、と思っています」。
(以上)