【09】効率の良い暖房&換気のポイント
効率の良い暖房&換気のポイント
冬の京都は底冷え。周囲を山で囲まれた京都盆地は、冬は冷気が逃げにくい地形だからと言われることもありますが、古い家が多いから「家が寒い」という指摘もあるようです。
2月に入り、少し寒さがましな日もあるものの、まだしばらく暖房は欠かせません。
一般的に家庭では、夏よりも冬の方が光熱費は高くなります。これは外気温と室温の差が大きいことも関係しています。例えば、夏に外気温33℃のところエアコンで室温28℃にするには「5℃下げる」エネルギーが必要ですが、冬に外気温5℃のところ室温20℃にするためには「15℃上げる」エネルギーが必要となります。エネルギーが必要な分、光熱費もかかってしまいます。
だからといって、暖房の設定温度を低くして寒さを我慢する省エネをしてしまうと、健康を損なうことになり本末転倒です。室温が低いと呼吸器系疾患や心臓血管疾患のリスクが高くなってしまいます。ヒートショックにより入浴中に亡くなってしまう方は、交通事故の死亡者数の約4倍と推計されています。あまり報道されませんが、冬の屋内での凍死者数は、夏の熱中症の死亡者数と同じぐらい発生しています。
毎年、なんとなく我慢して冬を過ごしてしまっていませんか?
冬の暖房を効率的にすることは、エネルギーの無駄をへらして気候変動対策になり、自分や家族の健康と快適につながり、生活の質を高めます。冬は来年も再来年もやってきます。一度、真剣に、ご自宅の暖房を今より効率的にする方法(多少コストがかかる方法も含めて)を検討しませんか?
■効率の良い暖房「3つのポイント」(主にエアコン暖房の事例を紹介しています)
(1)エネルギー効率良く熱を作る
・一番効果が高いのは、機器更新の際に省エネ型の製品を選ぶこと。
・電気ストーブ(電気ファンヒーター)よりもエアコンの方が熱を生み出すエネルギー効率が高い。
・エアコンの効率を良くするために「短時間でスイッチを付け消ししない」「室外機の風通しを良くする」「フィルター掃除をする」。
(2)熱を外に逃がさない
・一番効果が高いのは、建物の断熱性能を高くすること(断熱リフォーム等)。体感温度も改善します。
・窓から逃げる熱をへらす(断熱シートを貼る、厚めのカーテンをつける等)
・床から逃げる熱をへらす(断熱マットなどを敷く等)
(3)部屋の上下の空気をかき混ぜる
暖かい空気は上へたまりがち、冷たい空気は下へたまりがち。部屋の上下の空気をかき混ぜないと、天井付近ばかりポカポカ暖かく、人がいる部屋の下のほうは寒いという状態になり、もったいないです。
・エアコン暖房の場合は、「風量を強(もしくは自動)」「風向を下向き」にする
・サーキュレーター等を使う(上向きで使用すると効果的)
(ユニークな例として、ウチワを使って天井を扇ぎながらぐるっと部屋を一周する、という人もいます。自分が動くことで体がポカポカする効果もあるとか。)
■効果的な暖房のための換気ポイント
新型コロナウイルス感染症対策としても大切な換気。「少しでも効果的に」換気をするために、知って得するポイントをご紹介します。
≪24時間換気システムがある場合≫
24時間換気システムは2003年に住宅への設置義務化がされています。適切に稼働させていれば、窓を開けなくても、一般的な目安として、1時間で半分の空気が入れ替わるようになっています。
≪24時間換気システムがない場合≫
1時間に2回程度、5分ずつをめやすに換気することが推奨されています。以下の換気ポイントをご覧ください。
・1時間に10分の換気を1回するよりも、1時間に5分の換気を2回する方が換気の効果は高くなる。
・暖房を入れたまま換気する。部屋が暖まった状態(=壁や床や天井が暖まった状態)で空気の入れ替えをすると、室温が下がりにくい。暖房から出来るだけ離れた窓を開けると、より冷めにくい。また、エアコンの場合はオンオフを頻繁にすると、電気がたくさん必要になる。
・できれば2か所開ける。1か所だけでなく、2か所開けることで空気の通り道ができて効率的な換気ができる。開ける窓等は対角線上にあるとさらに効率的。換気扇を利用する場合も、換気扇から遠い窓を開けるなど、空気の入り口と出口を意識するとよい。
・窓から風が入りにくい場合は、外から空気が少しでも入ってくる側の窓は小さく開け、外に空気が出る側の窓を大きく開けると効率的な換気ができる。(風や空気は、小さい隙間から勢いよく入り、大きい隙間から(小さな力で)出ていきやすいという性質があるため)
<おまけ情報>冬場は夏場と比べて室内と室外の温度差が大きく、暖かい空気が冷たいところに逃げようとするため、窓を開けると空気が自然に流れやすくなります。つまり、冬の方が換気がしやすいそうです。
【参考】
ダイキン工業ホームページ(上手な換気の方法~住宅編~)
https://www.daikin.co.jp/air/life/ventilation/
★京都府は、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすることを目指しています。
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